飲食チェーンのオーナー・厨房衛生管理者の皆様、
グリストラップの清掃でお困りではありませんか?
特にスタッフへの周知や清掃の徹底に難しさを感じている方も多いことでしょう。

本記事では、「そもそもグリストラップとは、何なのか?」という
基礎知識から改めて紹介し、グリストラップ清掃は誰が担うべきか、
そしてどう行うべきかを解説しています。
是非、ご一読いただき、貴社の今後のグリストラップ清掃の管理・運用にお役立てください。

1.飲食店のグリストラップとは?役割と構造を今一度理解しよう

グリストラップとは何なのか、デジタル大辞泉(小学館)には次のような表記があります。
「排水中の油脂分を分離・捕集する機器。通常、飲食店の厨房などに設置され、油脂のほか、生ごみを取り除いて下水に流される。」。

わかりやすく言えば、厨房の排水に含まれる油脂や食品残渣をキャッチし、油や汚れが下水に流れるのを防ぐ装置のことです。
グリストラップは、主に飲食店厨房内のシンク下や床下、厨房からすぐ近くの外に設置されています。
構造は第1槽・第2槽・第3槽からなり、槽ごとに明確な役割があります。

1-1.第1槽で「食品残渣」をキャッチ

厨房からの排水に混じった食品残渣(生ゴミ)をバスケット(受けカゴ)でキャッチするのが、第1槽の役目。
バスケットで捉えきれない小さな残渣は、底に汚泥として沈殿する仕組みとなっています。

1-2.第2槽で「油脂」を分離

次の第2槽は、第1槽目で取りきれなかった油脂を分離する役目を持ちます。
水と油の比重差を活かして、油を浮かせることで、清掃時に取りやすくします。

1-3.第3槽で「きれいな排水」を下水へ

最後の第3槽は、上部に油脂が浮き、中間から底部にかけて排水がある状態です。
その排水を「トラップ管」と呼ばれる管で引き込むことで、油脂を分離したままの「きれいな排水」を下水へと流すことができます。

2.飲食店のグリストラップ、清掃は誰がやる?どう管理する?


グリストラップは厨房設備の1つであることからも、調理スタッフが日常的な清掃を担当することが望ましいと言えます。
実際に調理スタッフによる交代制で、グリストラップ清掃の管理・運用をしている店舗は多いのではないでしょうか。

ただ、調理スタッフの清掃時には、グリストラップ内に溜まった水を引き抜くことができないため、
全ての箇所を徹底的に清掃することは困難
です。
排水詰まりや臭い、害虫の発生というリスクを限りなくゼロにしたいのであれば、プロ業者への依頼も検討すべきでしょう。
また、グリストラップ清掃で出た油脂や沈殿物(汚泥)は一般ゴミではなく、産業廃棄物に分類されます。
そのため、廃棄物処理業者との契約後、適切に処理することが法律で義務付けられています。
この点もオーナー様や厨房衛生管理者の方がしっかりと把握しておくべき点です。

3.飲食店のグリストラップ清掃、自店でやる場合の正しい方法とポイント

最後に、グリストラップ清掃を自店でやる場合の正しい方法とポイントを紹介します。
清掃は槽ごとに行う必要があります。
蓋を開けての作業となることから、転落の危険性もあるため、細心の注意を払って実施しましょう。

3-1.第1槽目「バスケットのゴミを取り除く」

第1槽目は、終業後にバスケット内のゴミを取り除きましょう。
ゴミはすぐに溜まってしまうため、毎日行うことが望ましい作業です。

取り出したゴミは水分を含んでいることから、しっかりと絞ることも欠かせません。
水分を多量に含んだままのゴミをゴミ袋に入れて出しても業者が回収してくれないケースがあります。

3-2.第2槽目「油脂・沈殿物(汚泥)を取り除く」

第2槽目は、まず上部に浮いた油脂をひしゃく等ですくいます。
続いて、底部に溜まった沈殿物(汚泥)もひしゃく等で取り出します。

沈殿物(汚泥)は悪臭の原因となるため、重要な作業の1つです。

ただ、底部が1m以上に及ぶグリストラップもあり、無理は禁物です。
第2槽目の油脂および沈殿物(汚泥)の除去は、2〜3日に1回行いましょう。

3-3.第3槽目「トラップ管をきれいにする」

第3槽目で大切なのは、トラップ管の清掃です。
管内に油脂分がこびりつき、排水詰まりの原因となってしまうことのないよう、汚れをブラシ等で取り除きます。

この作業は第2槽目の清掃と同じタイミング・頻度で行うことがオススメです。

いかがでしたか?繰り返しになりますが、グリストラップ清掃を完璧に行うには、内部の水を完全に抜く必要があります。
3槽の間の仕切り板や壁面・床面、配管に至るまで、隅々まで清掃するには、バキュームカーによる吸引が不可欠です。

自店で清掃する場合においても、定期的に専門業者に依頼することをオススメします。

飲食チェーンのグリストラップ清掃を正しく運用・管理していくことは、厨房衛生の観点からも欠かせません。
本記事が、自店舗のグリストラップ清掃を今一度見直すきっかけとなれば幸いです。

こちらの記事では、プロ業者が行うグリストラップ清掃について詳細に解説しています。
是非、ご一読ください。

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