そば屋のグリストラップ・排水管清掃、
多店舗の厨房衛生管理を的確に運用するポイント

1.グリストラップの役割とそば屋特有の汚れとは？

1-1.油と食品残渣をキャッチ、それこそグリストラップの役目

グリストラップの名称は、「Grease=油」を「Trap=ワナにかける」に由来します。
主に厨房のシンク下に設置され、排水口をつたって流れる油脂が、
下水道に流入しないようせき止める役割を担っています。
また油脂だけでなく、排水に含まれる細かな食品残渣も捕集してくれます。
油脂や食品残渣はグリストラップ内で日々堆積していくため、定期的な清掃は欠かせません。

1-2.そば屋のグリストラップ、汚れ・悪臭の2大要因は小麦粉と油！

・そばと天ぷらの衣に含まれる小麦粉で汚れる
10割そばでない限り、そばにはつなぎとして小麦粉が含まれます。
また、天ぷらの衣にも小麦粉（天ぷら粉）が付着しています。
そばの茹で汁や天ぷらの残渣に含まれる小麦粉が排水管をつたって、
グリストラップへ流れると少しずつ汚れとして溜まっていきます。
特に小麦粉は水と合わさると発酵（グルテン形成）が始まり、
厨房排水や厨房内の温かい環境下で発酵が進みやすい性質を持ちます。
発酵で粘度が高まった小麦粉は、グリストラップ内に堆積しやすくなります。
長時間放置したままにすると、汚泥と混じり、粘度が高まった状態で強烈な臭いが発生する原因となります。

・天ぷらの揚げ油・天かすで汚れる
海老天やかき揚げ、春菊天、ちくわ天など、そばに天ぷらは欠かせない存在です。
ただ、天ぷらから生じる油脂は、グリストラップにとっては厄介者。
文字通り、油を捕集してくれるグリストラップですが、
溜まった油を定期的に取り除かなければ、悪臭や詰まり、害虫発生の元となります。

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2.そば屋のグリストラップ清掃・厨房衛生管理の大変さとは？

蕎麦打ち台や製麺機、床に至るまで、飛散したそば粉・小麦粉を綺麗に取り去るのは一苦労。
さらに骨が折れるのは、茹で釜の洗浄ではないでしょうか。
それら全てを行った上で、グリストラップの清掃までを行うのは、とても大変です。
皆様が管理する全店舗において、グリストトラップ清掃をどのように運用していくかは、
厨房衛生管理の永遠の課題とも言えます。

こちらの記事では、グリストラップの役割・構造、清掃を自店で行う場合の方法について詳しく紹介しています。

3.見逃しがちな排水管清掃、知らぬ間に汚れが堆積していることも

グリストラップにつながる排水管にも注意が必要です。小麦粉や油脂は排水管内にも付着しやすいのです。
シンクや排水溝をつたって水が流れていれば安心ではなく、毎日少しずつ堆積し、塊が形成されていきます。
突如、厨房内に水が溢れてしまった…その原因が排水管内に堆積した小麦粉・油脂の詰まりであることは多くあります。

4.定期的なグリストラップ・排水管清掃で厨房衛生管理を万全に！必要に応じてプロへの委託を！

グリストラップや排水管の清掃を自店のスタッフで行う難しさは、
オーナー様や厨房衛生管理者の誰もが感じられているはず。
特に、昨今のそば屋チェーンでは、
人材不足の観点から必要最低限のスタッフでの運営を強いられている店舗も多いことでしょう。
ただ、グリストラップと排水管の定期的な清掃は、
HACCP義務化の背景もあり、厨房衛生管理で必ず押さえておきたいポイントです。

そこでオススメしたいのが、自店での清掃とプロ業者への委託を組み合わせたグリストラップ清掃です。
毎日の簡単な清掃（※）は自店スタッフに任せ、徹底的な清掃はプロ業者に行ってもらいましょう。
業者の中には、全国の店舗のグリストラップ清掃をまとめて管理してくれる会社もあります。
清掃計画・内容のアドバイスや本部の管理業務をサポートしてくれるのが大きなメリットです。
何より、スタッフの負担を軽減し、本業に集中できる環境をつくることで、
結果的に売上・集客面において好影響がもたらされるはずです。
管理する店舗が多ければ多いほど、そのメリットを感じていただけることでしょう。

（※）グリストラップの第1槽のバスケットの食品残渣は営業後に毎日取り除きましょう。
それだけでも十分な清掃効果があります。

こちらの記事では、グリストラップ清掃を業者に頼んだ場合の清掃手順・テクニックをご紹介しています。
あわせて、ご一読ください。