「浄化槽の心臓」とも言われるほど重要な装置、浄化槽ブロワー。
商業施設やマンション・ビルなどで浄化槽の管理を担当する皆様は、その役割や効果をきちんと理解し、維持管理ができていますか?
浄化槽本体だけでなくブロワーについても、不測の事態に備え、適切な維持管理方法を理解しておきましょう。

1.浄化槽とは

下水道設備が整っていない地域に設置され、汚水や雑排水を微生物の力で浄化する排水処理施設のひとつ、浄化槽。
汚水は放流前に必ず処理しなければならず、浄化槽の設置は法律で定められています。
浄化槽は建物の大きさによってサイズが異なり、
一般家庭用の5人槽規模から、商業施設やビル、その他の公共施設などで使用される数百人〜数千人、最大で数万人規模の浄化槽もあるため、管理担当者には徹底した維持管理が求められます。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。

2.ブロワー(ブロアー)が浄化槽の心臓と呼ばれるのはなぜ?

2-1.浄化槽ブロワーの役割

微生物のいない浄化槽は、設置していても何も意味がありません。
微生物は酸素がなければ生きられないため、浄化槽が正常に稼働するためには人工的に酸素を送る必要があります。
この酸素を送る役割を担っているのが「ブロワー」
であり、その性質上、浄化槽の心臓とも呼ばれています。
構造は至ってシンプルであり、基本的には空気を圧縮して送り出す送風機(Blower)と同様です。
メーカーによってはブロアー、エアーポンプなどと表記されることもあります。

汚水に含まれる有機物をエサにすることで、浄化槽をキレイにする微生物

2-2.浄化槽ブロワーがもたらす効果

浄化槽ブロワーは浄化槽本体のすぐ側に設置し、ばっ気槽に空気を送り込みます。
これにより、微生物に空気を送り込みながら汚水を攪拌することができるため、汚水を循環させることも可能。
汚水を微生物のいる場所まで運ぶ機能も担うため、分解を早める効果ももたらします。
また、微生物は多ければいいというわけではないため、浄化槽ブロワーを調節することで微生物の数を管理することも可能です。

3.浄化槽ブロワーの平均寿命や維持管理方法とは?

特に大型施設の浄化槽ブロワーが故障すると、数百〜数万人規模の汚水を浄化しないまま川や海に流すことになります。
つまり、大きな環境問題に発展してしまうことは言うまでもありません。

そういった危険性を未然に防ぐためには、心臓部であるブロワーの維持管理が欠かせません。

3-1.浄化槽ブロワーの寿命

浄化槽ブロワーの寿命は、通常5〜7年と言われます。
対して、浄化槽本体の寿命は約20〜30年と言われるため、浄化槽本体が壊れていないからと言って放置や油断は厳禁です。
浄化槽ブロワーはこまめな交換を行いましょう。
小型店舗や一般住宅に設置される小型ブロワーの場合、種類によってはご自身で行うことも可能です。
一方、商業施設などに設置される大型ブロワーは浄化槽のサイズ同様に大きくなるため、専門業者への依頼が必要になります。

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3-2.適切な維持管理方法

そもそも浄化槽は、浄化槽法によって清掃回数などの管理方法が明確に定められています。
そのため、法律に則った保守点検・清掃・法定検査を徹底することが大前提であり、この時にブロワーも異常がないか確認を行います。
この保守点検や清掃は専門業者に依頼する必要があるため、
専門業者と契約を結び、定期的にプロの目と技術でメンテナンスすることがオススメです。

その一方で、使用者も注意事項をよく理解しておく必要があります。
例えば浄化槽ブロワーは外から空気を取り込まなければいけないため、
空気の取り入れ口を塞いでしまわないようにするなど、日頃の管理を徹底するように心がけましょう。