工場や商業施設の施設管理者の皆様、
排水桝の詰まりや掃除・清掃方法についての知識はお持ちでしょうか。
排水桝の詰まりは、悪臭や衛生リスクを引き起こすだけでなく、
放置すれば施設全体の排水トラブルにつながることもあります。
本記事では、排水桝の基本的な役割や詰まりの原因、
自分でできる掃除・清掃方法をわかりやすく解説しています。
日々の管理に役立てて、トラブルを未然に防ぎましょう。
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1.排水桝とは?基本的な役割は?
排水桝(はいすいます)は、工場や商業施設の内外を通る排水管の「点検口」および「掃除口」の役目を果たしている設備です。
敷地内で発生した雨水や汚水は、それぞれ雨水桝や汚水桝を経由して敷地外の排水本管へと流れる仕組みになっています。
また、排水桝は排水管の合流部や曲がり角といった汚れが溜まりやすいポイントに設置され、
ゴミを一時的に捕捉する「ゴミ溜め」の役割も担っています。
この役割によって、排水管が詰まった場合でも地面を掘り起こすことなく点検・清掃を行うことができます。
施設の排水システム全体を効率的かつ安全に保つために大きく貢献している設備なのです。
2.工場や商業施設では、排水桝はどう設置されている?
工場や商業施設の排水桝は、排水管の合流点や勾配が変わる箇所など、特に汚れが蓄積しやすい場所に設置されます。
これらの施設では排水量が多いため、建物の周囲や敷地内に複数の排水桝が設けることが一般的です。
適切に配置された排水桝により、点検や清掃がスムーズに行えるため、排水トラブル予防の要として活躍してくれます。
3.排水桝が詰まる原因とは?油・ゴミ・泥砂・植物根…
3-1. 油分やゴミが排水桝や排水管内部で塊になると…
食品・化学品などの加工工場や商業施設内の飲食店の厨房には、
主として排水管の合流点や分岐点に「インバート桝」が設置されています。
インバート桝とは、排水や汚れがスムーズに流れるよう、底部にU字型の溝(=インバート)が設けられた排水桝です。
インバートに排水に含まれる油分やゴミが溜まると詰まりの原因となってしまうことがあります。
特に油分は冷えると、インバートや排水管内部に蓄積しやすくなります。
放置しておくと、ゴミと一緒に塊となって水の流れを完全に塞いでしまうことがあるため、清掃による早めの除去が肝心です。
3-2.泥や砂の堆積が排水桝の許容量を超えると…
屋外に設置する排水桝には、雨水とともに泥や砂が流れ込みやすくなります。
そのため、屋外では底部に“ゴミ溜め”が設けられた「溜桝」が設置されることがほとんどです。
この溜桝に溜まった泥砂が許容量を超えてしまうと、上部を通る排水管を詰まらせる原因となります。
対策としては、特に雨が多くなる季節の前に定期的な清掃を行うことが欠かせません。
3-3.植物の根や異物が実は…
経年劣化に伴う排水桝に開いた穴や排水管との接合部の隙間から、植物の根が侵入し、詰まりを引き起こすこともあります。
植物の根は水分を求めて成長し、排水管内で絡み合って排水の流れを妨げる原因となるのです。
この場合には、伸びた根をカットした後、侵入箇所に補修剤を塗布する、もしくは排水桝自体の交換を行います。
また、排水管をつたって排水桝に流れた異物が詰まりの原因となることもあります。
ビニールや水に溶けないウェットシートなどは、誤って排水に流さないよう、注意が必要です。
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4.自分でできる排水桝の掃除・清掃方法
施設管理者の皆様が自分で行える排水桝の清掃方法を以下にご紹介します。
定期的な清掃を行うことで、排水桝の詰まりを未然に防ぐことが可能です。
4-1.排水桝の清掃に必要な道具と準備
排水桝の清掃には以下の道具を準備してください。
・バケツとシャベル:泥や砂をすくい取るための基本的な清掃用具です。
・ゴム手袋と保護マスク:汚れや異物に触れるための衛生対策として必須です。
・清掃ブラシ:排水桝内部の細かな汚れを落とすために使用します。
・ドライバー・バールなど:排水桝のフタをスムーズに開けるために便利です。
4-2.自分で行う排水桝の清掃手順
①安全に配慮し、ゴム手袋とマスクを着用して作業を行います。
②排水桝のフタを開け、内部に溜まった泥やゴミをシャベルやブラシで取り除き、バケツで回収します。
③水で内部を軽く洗い流し、水の正常な流れを確認してからフタを閉めます。
※施設の規模や使用頻度に合わせて、数カ月ごとに清掃を行うとよいでしょう。
※取り除いたゴミ(油脂・汚泥等)は一般廃棄物ではなく、産業廃棄物に該当します。
自治体の案内を確認し、適切な方法で処分するようにしましょう。
5.排水桝の清掃を専門業者に依頼するべきケースとメリット
排水桝の詰まりが頻繁に発生する、または自力の清掃が難しい場合には、専門業者への依頼がオススメです。
5-1.自力での清掃が難しいケースとは?
明らかに排水の流れの悪化が見られる場合や、
マンパワー不足から手作業での清掃が難しい場合には、業者への委託を検討しましょう。
敷地が広くなればなるほど、敷設された排水管も長くなり、排水桝の数も多くなります。
また、排水桝の蓋は重く、桝自体も深さがあることから、清掃時の事故や怪我の可能性も拭いきれません。
大規模な排水処理設備や除害施設を抱える事業者様こそ、プロ業者よる定期清掃のメリットを感じていただけることでしょう。
5-2.定期メンテナンスによるトラブル予防を
専門業者による定期メンテナンスは、詰まりの予防や排水システムの円滑化、設備自体の長寿命化に役立ちます。
工場や商業施設のように排水量が多い環境では、
プロの知識と技術を活用することで、長期的なトラブル予防やコスト削減が期待できます。
定期的な清掃により、施設全体の衛生管理が保たれ、将来的な排水設備の修理費用を抑えることも見込めます。
こちらの記事では、排水桝の補修・修理・交換が必要な場合の対策をまとめています。
あわせて、ご一読ください。
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