
日本全国に設置されているマンホールの総数は、なんと約1500万基とも言われています。しかし、これらの蓋は経年劣化や外的な要因で損傷し、修理や交換が必要なケースが増えています。今回のコラムでは、マンホールの蓋の修理や交換工事について、マンホールの現状や課題について解説していきます。
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1.マンホールの役割と設置環境
1-1.マンホールの役割
マンホールは、地下施設への出入り口として設置されています。地下には、下水道や排水設備などのインフラの基盤が広がっており、メンテナンスが発生するためです。
主な役割は、下水設備、排水設備や浄化槽・排水管などの点検や清掃のための通路であり、人が作業できるようスペースを確保するためのものです。
マンホールについての詳細はこちらをご覧ください。
1-2.マンホールの設置場所
マンホールの設置場所は、道路や駐車場、建物の地下など多岐にわたります。
商業施設等では、一般的な地下駐車場のさらに下層にある除害施設や浄化槽のために設置される場合もあります。

2.マンホールの蓋の老朽化が進む理由
時間の経過とともに、マンホールの蓋やその枠は劣化し、交換や修理が必要になります。
下記のような主な要因が老朽化を加速させるため、該当する管理担当者は気をつけましょう。
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・サビや腐食
鉄製マンホールの蓋や枠は、湿気や水分、化学物質の影響で徐々に腐食が進行する
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・車両の荷重
駐車場や道路上に設置されているマンホールは、日々自動車や大型車両の重量がかかるため、摩耗や変形が発生する
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・地震や地盤沈下
地面の揺れや沈下により、マンホールの蓋がズレたり、枠が歪んだりする
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・化学物質の影響
工場などの除害施設では、硫化水素などの有害ガスの影響で、コンクリートや金属部分が通常よりも早く劣化する

3.マンホールの蓋の耐久年数と老朽化問題
3-1.マンホールの蓋の耐久年数
一般的に、通常のマンホールの耐久年数は約30年とされています。しかし、設置環境によって劣化のスピードは大きく異なるため、注意が必要です。
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・車道用マンホール:国が定める標準耐久年数は15年とされている
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・工場や除害施設:硫化水素などの化学物質が発生し、劣化が早い
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・放置されている場所:一度始まった腐食や摩耗は、進行が早い
3-2.マンホールの老朽化問題とは
マンホールの数は、高度経済成長期からバブル期にかけて爆発的に増えました。当時整備されたマンホールの耐用年数が限界に近づいており、老朽化問題が発生しているのが現状です。
とはいえ、日本全国で設置されているマンホールの数は膨大であり、すべてのマンホールを一斉に点検・交換することはほぼ不可能。そのため、計画的な修理や交換を行うことが重要です。
4.マンホールの蓋は修理すべきか、交換すべきか
4-1.修理すべきか交換すべきかの判断基準
修理の場合は軽微な劣化と考えられ、塗料を用いる程度の簡易的な対応に限られることが一般的です。対応範囲は非常に狭く、あまり一般的とは言えません。
マンホールの場合、多くは枠ごとの蓋交換工事が必要になります。
4-2.一般的な交換の流れ
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1.劣化状態の確認:除害施設点検時等に、マンホールの蓋や枠も状況調査
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2.交換の判断:すぐに交換が必要か、次回点検時に交換すべきか判断
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3.施工準備:適切なサイズの蓋と枠の準備
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4.枠の撤去と新設:劣化した枠を撤去し、新しい枠を設置
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5.蓋の設置と調整:新しい蓋を枠にはめ込み、固定
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6.仕上げと点検:工事完了後、正しく設置されているか確認

5.適切な管理で生活の安全を守る
マンホールは私たちの生活や産業を支える重要な設備ですが、適切なメンテナンスや交換を行われなければ、思わぬ事故やトラブルの原因となります。
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蓋がぐらついていて、音がする
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見るからに変色していて、サビている
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割れや欠けが目立っている
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枠と蓋がズレてしまっている
上記のような様子が見られたら、すぐに専門業者へ問い合わせをしましょう。
また、定期的に設備点検をプロに任せておけば、そのような現象が起きてしまう前に対処することができます。
安全を守るためにも、マンホールのメンテナンスや交換工事の重要性を改めて認識し、適切な対応を進めていきましょう。
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